2010年07月12日

「More than meets the eye」ということ

トランスフォーマーという玩具の楽しみ方は、いろいろある。

すぐに思い浮かぶのは、たとえば、次のような楽しみ方だろう。

ロボットとして飾って楽しむ。
乗り物の模型として飾って楽しむ。
アニメやマンガなどの劇中に登場するキャラクターの玩具として楽しむ。
変形をパズルのように楽しむ。

実は、まだまだ楽しみ方はいろいろあり、そして楽しみ方は人それぞれである。
それはおいおい語っていきたい。

この「TFコラム」というカテゴリでは、一般人にはたぶんわかってもらえない……むしろ他のTFファンにすらわかってもらえないかもしれないが、私個人が考えるTFの楽しみ方について、独り語っていきたいと思う。

私にとって、TFの楽しみ方として大きいのは「設計者との対話」という部分だ。
といっても、(残念ながら)直接制作者の方とお話しできる機会があるというわけではない。

TF玩具のデザインや変形機構の設計など観察することによって、そこから設計者の意図を読み解く、という楽しみだ。

実は私は、美術館や展覧会に行くのが好きで、美術作品から制作者の意図を推測するというタイプの鑑賞をいつもしている(専門知識があるわけではないから、勝手に読み取った気になっているだけなのだが)。

そういう意味で言うと、TF玩具ほど読み取りがいのある芸術作品はほかにない。

私は、TF玩具というのはマスプロダクトでありながら芸術作品であり、設計者は職人であると同時に芸術家だと、本気で思っている。

そもそも相がふたつあり、ふたつを同時に鑑賞できないという芸術作品自体が珍しいし、変形機構という実際にさわってみないとわからない鑑賞法がある作品というのは他にはない。

もし後年、TF玩具が芸術作品として認知され、美術館や博物館に飾られるようになったとしても、さわれないのでは十分に鑑賞したことにはならない。
そうした意味では、安価に大量のTF作品群にさわることができるいまという時代は、もっとも幸せな時代なのではないかと思わずにはいられない。

さて、設計者の意図を読み取って楽しむ、というのはどういうことか、ひとつだけ、例をあげてみよう。

P1580973.jpg

おなじみ、ロディマスである。
これはこの型が世に出た最初のバージョンであるクラシックス版ロディマスだが、別にヘンケイ ホットロディマスでもゲンテイ ワイルドライダーでもいい。

私はこのどこに感動を覚えたか。
(もちろん、旧ホットロディマス玩具からのデザインの継承と昇華についても興味深かった。それはまた機会があれば語りたいが、今回はそれではない)

それは、集光ギミックという、TFファンにはおなじみの要素だ。

目のクリアパーツが後頭部までつながっており、後頭部から光を取り入れ、目が光っているように見せる仕掛けのことである。

P1580974.jpg

これは「窓」という名の、建築ではごく当たり前の技法であり、教会のステンドグラスなども同じ仕掛けである。
この集光ギミック自体は、1990年代前半頃のTF玩具から見られる仕掛けで、いまではありふれた機構になっている。

ところがこのロディマスの後頭部の集光窓は、けっしてたんなる集光窓ではないのだ。

ロボットモードのまま変形させないと、それに気づくことはない。

P1580977.jpg

ロディマスのフロントガラスパーツの先端は、くぼんでいる。

ビークルに変形させると、その部分に、ロボットの頭頂部がおさまり、後頭部の集光窓はフロントガラスの線を構成するパーツのひとつとして収斂してしまうのだ!

P1580975.jpg

P1580980.jpg


ビークルモードで頭を完全に隠してしまうというのは、TFの設計ではむしろ当たり前といっていい。
もちろんあえて露出しているものもいくつかあるが、後頭部の集光窓を、ビークルにおいてのデザインの一部として利用としてしまうというのは、私の知る限りでは、他に例はない。

他のTF同様、ビークルで完全に頭部は隠してしまっても、誰も文句は言わないはずだ。
他のTF同様、後頭部の集光窓は単なる集光窓でしかない、としてしまっても、誰も文句は言わないはずだ。

だが、このロディマスのデザイナーは、そこに意味を与えた。

まさに、「More than meets the eye」。
見た目以上の何かが、そこにはある。

こうしたデザイナーの小さな工夫を、そのTF玩具を手に入れてすぐに発見できることもあるし、しばらくしてから気づくこともある。

他人が指摘しているのを見て初めて気づくこともあるし、持っているのに一生気づけないものもあるだろう。

こうした小さな発見があるから、新たなTFを触らずにはいられないのだ。





posted by tf-tf at 06:08| Comment(6) | TrackBack(0) | TFコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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